クッキーレス時代のターゲティング広告
GoogleがChromeの3rdパーティクッキーを段階的に廃止する、と発表してからウェブ広告は変革を迫られています。自社サービスを閲覧していたユーザーに対して再度別サイトから接触するリターゲティング広告が配信できなくなるためです。
ユーザーは自分が興味を持っている情報に接触したい、便利なサービスを利用したいと考えます。そのため自分の利益になる場合には進んで情報を提供します(お知らせメールを受け取るためにメールアドレスを登録する、商品の配送のために住所を知らせる、など)。
一方で広告主は効率的に見込み顧客に絞って広告を配信することで無駄打ちのコストを引き締めつつ、売り上げによる収益などの指標を最大化したいと考えます。
適切な内容の広告が狙った層に配信されることはユーザー、広告主双方にとって望ましいことであることがわかります。
ブランドセーフティ
ブランドイメージの形成は広告主にとって非常に重要で、消費者からの受け止められ方を望ましい方向に寄せるために広告主は広告費を支払っています。自社の広告がどのような場面で配信されているのか、をコントロールすることで広告主はより自社が望むマーケティング戦略を実施しやすくなります。
テロ組織の犯行声明動画に広告が表示されると全くの無関係にも関わらず自社がテロ組織を支援している、というイメージを与えかねず、またプラットフォームに支払っている広告費が間接的に動画投稿者(例でいうとテロ組織)に流れている事実はブランドイメージを毀損します。ブランドイメージが傷つけられないようにブランドセーフティという考え方が近年重視されつつあります。
文脈を解釈する
自然言語処理を用いて広告が表示されているウェブページの中身がどのようなジャンル・内容で、ポジティブな内容なのか、それともネガティブなのか、などを判定することができます。広告で訴求したい内容と近い、または関連するメディアに出稿すると読者層は広告の内容にも興味がある層であることが予想されます。
クッキーレス時代に入るにあたり、個人情報を使用せず、文脈(コンテキスト)に沿った広告配信(ターゲティング)を行うコンテキストターゲティングが注目されています。コンテキストの把握のためにウェブページ内の内容を把握するための自然言語処理、画像処理などの機械学習を用います。
配信先のウェブページのコンテキストと配信される広告のコンテキストのマッチングをすることで広告を表示するメディア、広告を出稿する広告主、広告を閲覧するユーザーの三方良し、な広告配信が可能になります。